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漢方柚鍼灸院(大阪・谷町)の患者さんのお便りと、院長が印象に残った治験例など。


by yu-shinkyu
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妊娠後期の多形紅班

翌月に予定日を迎える36歳の初産の妊婦さん。
一か月前からお腹に赤い湿疹が急に発症し、
皮膚科では原因不明と言われ、ステロイドをもらい塗布するも、
あれよあれよという間に湿疹が全身に広がってしまい、
夜も眠れない状態です。

熱の証を疑いましたが、身体をみると臨月というのに全身冷たく、
湿疹は黒ずんで色素沈着し、カサついています。
脈は力なく緩み、顔面も白っぽい状態で、
どうやら脾不統血の多形紅班のようです。
早急に正気を補わないと、出産の力もなくなってしまい、
帝王切開か促進剤を打たれる可能性も出てきます。

続けて四回ほど鍼と灸で治療し、同時に食事や生活指導も行った結果、
湿疹は半分以下になりました。
体があたたかくなって頬に赤みもさし、体重も増えてきました。

最後の治療の時に、少し早めに頭が下りてきたとのことでしたが、
母体の正気が足りないことを思うと、
それも体の方がバランスをとってのことでしょう。
脈や舌が改善されているので、安産に導けるはずです。

ご主人が古くからの患者さんで、これはまずいと奥さんを連れてこられましたが、
短期間でいい方向へ導けてよかったです。(院長記)


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by yu-shinkyu | 2014-07-29 14:00 | 婦人科疾患・不妊治療